今回の企画展では,「寄主特異性」をキーワードとして科学的側面からの「冬虫夏草」の魅力,新たな知識の発見や新薬開発の大きな可能性を紹介しました。「冬虫夏草」は,世界では390種以上が報告されています。このうち日本では約250種が確認されており,そのうちの約150種は日本だけで見つかっている種と言われています。この数字は,日本における「冬虫夏草」の豊富さばかりではなく,標本の収集分類における日本の貢献度の高さを表していると思われます。また、日本での「冬虫夏草」研究のもつ可能性が豊かなものであるとするならば,まちがいなくその基盤は収集活動の努力の結果である分類的知識の豊富さにあると思われます。本企画展の展示資料標本としてその一部を皆様にご紹介できることは,我々企画展実行委員会メンバーの喜びとするところです。
企画展実行委員会委員一同